まずは動画を見てみましょう
サーチュイン遺伝子のことを詳しく知りたい方はこの動画をご覧ください。
サーチュイン遺伝子の説明から効果まで詳しく説明しています。
※中国のサイトですので動画開始前に1分ほどCMが入りますが、
スキップできませんのでそのままお待ちください。
※内容は50分ほどになります。
長寿遺伝子が発見された!
いつまでも健康な体で長生きをしたい・・・
それはいつの時代でも、誰にとっても普遍的な願いなのではないでしょうか。
人類が長年願ってきたこの願望もなかなか容易ではないことはだれにでもわかることです。
長生きするには、運動不足はダメ・食べすぎはダメ・塩分は控えめに・量は腹八分目。
ところが現在、そんな面倒なことをしなくても遺伝子のたった一箇所を活性化させれば、面倒くさい食事制限などしなくても健康で長生きすることが出来るのです。
ことの始まりは長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)の発見でした。
MITのレオナルドガレンテ博士とワシントン大学の今井眞一郎博士のグループが、
「サーチュインという特定の遺伝子のスイッチを入れることが出来ればその生物は長寿になる。」
という論文を発見しました。
サーチュイン遺伝子の発見が世界を驚かせた理由は以下の二つです。
まず、「たった一つの遺伝子で寿命を延ばせる」
ということです。
体の老化は様々な要因が絡んでいます。生まれつきの体質に起因するものがある一方、生活習慣などの内的な環境や大気汚染や食品添加物に代表される外的環境もあります。
一卵性双生児の追跡調査でも、生活環境によって老年期には似ても似つかない外見になることが知られています。
今までは、遺伝子を操作することによって寿命を延ばすことは出来ないと考えられてきました。
ですから、特定の遺伝子を操作することで寿命が延びるという報告は驚きを持って受け入れられました。
もう一つの驚きは、
「その遺伝子は誰もが持っている」
という点です。いえ、誰でもというよりすべての動物といった方が正確でしょう。
昔から、「サメはガンにならない」とか「亀は万年」などと自然界に生きる特定の生物が長寿であることは知られていましたが、実際人間にどう応用できるかは定かではありませんでした。
私たち人間が持っていたということに最大の驚きがあったのです。
サーチュイン遺伝子の持つ驚くべき能力
長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)が注目され始めたのは2000年初頭のことでMITのレオナルドガレンテ博士とワシントン大学の今井眞一郎博士のグループの研究が発端でした。
様々な生物がサーチュイン遺伝子を持っていますが、そのメカニズムが分かったのは酵母によってでした。
酵母は単細胞生物の中では変わった特徴を持っており、単細胞生物なのに不等分裂といって細胞分裂の度に片方の細胞に今までに分裂した回数が残ります。
よって、20回ほど細胞分裂を繰り返すと寿命を向かえ死んでしまいます。
多細胞生物の世界ではほとんどがこの不等分裂なので、細胞分裂の回数に限界が来ればみな死んでしまいます。
ガレンテ博士たちは、この酵母を研究の対象にしました。
なぜかといえば、単細胞生物ですので調べるべきDNAは一つ、でも多細胞生物のように老化し調べやすいからです。
実際研究を進めると、酵母は老廃物によって老化していきました。
この老廃物は細胞分裂する際に生まれ、しかも細胞分裂のたびに蓄積していきました。
細胞分裂する際DNAは解けながら新しいペアを作りますがその過程でDNAがちぎれて損傷し老廃物になることが分かりました。
そのとき登場するのが、サーチュイン遺伝子です。
サーチュイン遺伝子が働くと細胞内のDNAちぎれにくくなり、老廃物の発生を抑える効果があることが分かってきました。
酵母の場合平均20回ほどの細胞分裂はサーチュインが働く場合28回まで増加しました。
その分寿命も伸びたということになります。
その後哺乳類で大規模な研究が行われるようになり、様々な報告がされていますが、体内でのサーチュイン遺伝子の働きは多様で、臓器によって別々の働きをしています。
札幌医科大の堀尾嘉幸博士は心不全を起こしやすいハムスターを使いサーチュインを活性化させたときとさせなかったときでの違いを調べました。サーチュインを活性かさせなかった時は心臓の老化は進行していましたが、サーチュインを活性化させたマウスは老年期に入っても心臓の老化は見られませんでした。
なぜ老化が抑えられたか、そのカギは細胞内のミトコンドリアにあるのではないかと堀尾博士は推察しています。
心臓を動かしている心筋は非再生系でしかも大量の酸素を消費しているため活性酸素も大量に蓄積しています。活性酸素は周囲の細胞を攻撃し、損傷を与えます。
活性酸素除去の要
活性酸素の攻撃を防いでくれるのがサーチュイン遺伝子です。
サーチュインは2種類のタンパク質についたアセチル基を切断し活性化します。
最終的にサーチュイン遺伝子が有害な活性酸素を除去します。
マウスの実験では、心不全になりやすいマウスの寿命は10%ほど伸びました。
動物で初めて寿命を延ばすことの出来た画期的な例として世界的な評価を受けました。
このサーチュインは人間誰しもが持っていますが、通常はこの遺伝子は眠っていて活性化していないのです。
生物は少しでも長生きして、子孫を残そうとして生きているのではないでしょうか?
なのに長生きできる遺伝子を持っているにもかかわらず、そのスイッチを入れていないのはなぜでしょうか。